カテゴリ:不動産コラム / 更新日付:2023/01/13 15:15 / 投稿日付:2023/01/13 15:15
☆「売却した家に住み続ける」リースバックとは?
リースバックとは自宅である家を売却した後もその家を賃貸住宅として借りて住み続ける方法のことをさし、売主が自宅を売却して、買主と賃貸借契約を結ぶことによって元の家にそのまま住み続けられる仕組みのことです。
近年では、家族の自立や別れ老後の資金問題等、長い人生の中で自宅への価値観も変化している中で、年配やご高齢の方がリースバックを利用するケースが増えてきております。
ではリースバックについてメリットとデメリットを考えてみましょう。
■利用者のメリット
メリット①引越しをしなくていい
売却した後もそのままその家に住み続けられるので、引越しをしなくていいということが挙げられます。
通常は自宅を売却したら当然荷物を整理して引っ越さなくてなならないのですが、リースバックであれば自宅売却後もそのまま住み続けられるので、掃除や不用品の処分や整理等、引越しに関する手間や費用は必要ありません。
メリット②賃貸物件を探さなくていい
引越しをしなくていいので、当然次の住まいを探す必要もありません。次の住まいに賃貸物件等をご検討のときは、健康面等が懸念されご高齢の方だと入居審査が通りにくい、賃貸会社も貸したくないという傾向もあるため、次の住まいが見つからないという事態も出てくるかもしれません。リースバックであれば、次の住まいを探す時間や手間、苦労も必要ありません。
メリット③世間体を気にしなくていい
自宅を売却するとそこに長く住んでいればいるほど、売って出ていくというのはおおごとになりやすくご近所さんにも噂が回ってしまうことも多々あります。
「あそこのご自宅お金に困っているのかしら」となってしまうのは避けたいところですね。
自宅を売却したいけど近所に知られたくない、販売のためとはいえ広告や看板を出すのは控えてほしい、というお悩みもリースバックで解決できます。
そのまま自宅に住み続けられるので、ご近所に気づかれることなく売却することができます。
メリット④老後資金の確保
家を売却するということはまとまったお金が必要になった時が考えらます。
家を売って引っ越しするのは難しいな、というときもリースバックを使えば家を売ってお金は手に入り、その上売却した自宅には住み続けられるので大きなリスクなく、老後の資金を確保することができます。
メリット⑤すぐに現金化できる
リースバックは不動産業者が買い取りをしますので、家を売りたいとなればすぐに買い取ってもらえます。不動産業者が買主を探す「仲介契約」ではありませんので、売却まで時間がかかったり、結局売れ残ってしまう等のリスクはありません。直接スムーズに買い取ってもらえるので、その分現金化も早くなります。
メリット⑥固定資産税が不要になる
今まで自宅にかかっていた固定資産税や都市計画税は自宅を売却したので、当然支払う必要が無くなってきます。
メリット⑦ローン返済が厳しい場合も有効
「ローン返済が厳しくなってきたから家を売らなければいけないけど、この家に住み続けたい」そんなお悩みを持つ方も多いのはないでしょうか。リースバックであれば自宅を売却してローンは一括返済しそのまま自宅に住むことができますので、ローンだけ完済して今までと同じように生活できるというのもメリットになります。
ただし、この場合注意点はローン残高が自宅売却益より少ない時に有効であるということ。
自宅を売却してもローンが残ってしまうと残り残金を自分で完済しなければなりませんので、今の住宅ローンの残債がいくらあり、売却して手元に残る金額がいくらになるのかを事前に確認しておくことが必要です。
メリット⑧買い戻し特約を付ければ自宅を買い戻せる
買い戻し特約とは、不動産の売買契約から一定期間経過後、売主が売買代金等を返還してその不動産を取り戻すことができるとした特約のことです。つまり「今はお金がないから一旦売却するけど何年後かに買い戻す」という特約を付けることもできるのです。今はやむを得ない事情で家を売るしかないけれど、大事な家だから買い戻したいという、お悩みを持つ方もリースバックであればスッキリお悩みを解消できます。
■利用者のデメリット
デメリット①売却価格が安い
メリット⑤ですぐに現金はできるとお伝えしましたが、買い取るのは不動産業者になります。不動産業者は売却物件を安く仕入れ再度販売することで利益を得ますので、売却したい自宅の価格も相場よりは安めに決められること多いです。少しでも高く買い取ってほしいときは、事前に事情を説明しなるべく不動産業者主導になりすぎないように話し合っていきましょう。
デメリット②定期建物賃貸借になると退去をしなければならない
定期建物賃貸借契約とは、契約で定めた期間を満了した場合は、更新契約が認められず賃貸借契約が終了する、という賃貸の契約です。それに対して、期間満了で更新することができるのが普通建物賃貸借契約です。定期建物賃貸借契約で契約するか普通建物賃貸借契約で契約するかははリースバックの契約内容によりますが、もし定期建物賃貸借契約だった場合は更新をしないので、買い戻しをしない限り自宅を退去しなければなりません。
リースバックの契約内容によっては定期建物賃貸借契約を結んでも、期間満了後に更新するか退去するか選ぶこともできるので、不動産業者に確認してみましょう。
☆今日のまとめ☆
いかがでしたか?長い人生の中で自宅への価値観も多様化している中で、リースバックを利用することで、将来の選択肢が増え老後の不安が少し解消される場面も出てきそうですね。メリットとデメリットを参考にしてリースバックを活用しましょう。